じっくり語り語られてみよう エントリーNo.19

イベント 『じっくり語り語られてみよう』 に参加し,
作品について語っています.
作品へのネガティブな表記・ネタばれを含む場合がありますが,
イベントの趣旨に乗った上での記述とご理解ください.
他の方の語り記事一覧 → 『No.19: 【切り絵アニメ】でアイドルマスター
 

 
タカシP
 
 
まず、語る側である私の事前情報を。
1:「アイマス」の遍歴は↓をご参照ください。
 
マイリストから見るアイマスにハマっていく過程
 
2:「タカシP」の作品に関してはこの作品だけ視聴済み。
3:小島麻由美「やられちゃった女の子」は今回初めて聴きました。
このような人間が語ります。参考にする・しないはおまかせします。
 
続いて、語られる側のタカシPによる【語り視点の注文】を確認。
「かくされたおはなしはなあに?」
 
語り手さんへ:この動画は隠されたお話を見つけて欲しがってます。
『1分18秒に出る時計』『春香の設定』からお話を探し出して下さい。
 
ただ正直語る人の数だけ物語は生まれると思います。
あの扉は何を意味してるのか。2回出てくる黒猫はなあに?
手をひかれてどこへ行くの?etc....
 
自分の中には一つの回答はありますがそれが正しいとは限りません。
あなただけの物語をこの動画から見つけて下さい。
 
 
この作品を語る上で、1つの障害が立ちふさがる。
それは『春香の設定』である。
私はアーケードでもXbox360でも「アイドルマスター」をプレイしていない。
知っているのはニコニコで様々なプロデューサーによって表現される「春香」と
唯一、公式の資料と言える「MASTER ARTIST 01(以下MA)」のみ。
果たして私は『春香の設定』を正確に把握しているのだろうか。
 
 
まず動画を、歌詞と切り絵の描写と共に分析してみる。
 
『私の心の小さな扉 12341234 あなた叩いた
居眠りしてた寝ぼけたまなこで 12341234 わたし気づいた』
 
居眠りしているところにいるのは「黒猫」
 
『近道を見つけたの 手を引いてて 甘い匂い
まぶしさに 目を細めて』
 
「誰か」に手を引かれている
甘い匂いで「涙」
 
『私の心の小さな扉 12341234 あなた叩いた
楽しいおしゃべり笑いの中で 12341234 わたし気づいた』
 
『あなた叩いた』で先ほどとは異なり、「スーツ姿の男」が登場
「12時に近づく時計」
『わたし気づいた』で俯く春香
 
『近道はどこにある? 手を引いてて 甘い匂い
フラフラと惑わされて』
 
先ほどと異なり『近道』はなくなっている
甘い匂いで再び「涙」
 
『あなたの心の大きな扉 12341234 わたし叩いた
昨日の約束覚えてるよね? 12341234 数えてたのに
12345678・・・・・・』
 
『わたし叩いた』では特に誰もいない
楽しそうに歌うものの、『数えてたのに』でまたも涙
最後に「黒猫」が「Adiey」
 
 
まず、この作品の春香から感じるのが哀愁。
MAにおける春香は常に明るく、凹むことがあってもすぐに立ち直り、
やよいやファンのことを第一に考えるような優しい女の子である。
その彼女がこの作品の中で3度も涙を流していることから
相当悲しいことがあったことが伺える。
春香にとってそれほどに悲しい出来事と考えると、
「アイドル引退」を想起させられた。
この部分はニコニコの動画で得た知識であるため、正確ではない
可能性がある。
私の中のストーリーを記しておくと、
「春香は引退コンサートの後にプロデューサーに告白するも、
プロデューサーは次へのステップを踏み出すことを決断し、
春香の想いが届くことはなかった」
というもの。
この作品はその頃の春香の心境を描いているのではないか、と考えた。
 
 
最初に登場する「黒猫」が眠っていた春香の心の扉を叩く。
春香はプロデューサーに会って一目惚れをしている。
そしてプロデューサーとの出会いで、
春香はアイドルとしての自分を自覚する。
近道を見つけたとは、トップアイドルへの道。
プロデューサーに手を引かれ、甘い匂い(=成功)を手にする。
 
続いてプロデューサーが春香の心の扉を叩く。
「楽しいおしゃべり、笑いの中」で春香は気づく。
プロデューサーの心は自分に向いていないことに。
そして、「時計」は12時に近づき引退が迫る。
シンデレラにかけられた魔法が解けてしまう。
アイドルへの近道を知っていたはずだったが、
手を引かれていたことと、まぶしさに目を瞑っていたこともあり、
自分だけで『甘い匂い』にたどり着くことはできない。
 
最後に『あなたの心の大きな扉をわたしが叩く』
このあなたとは「停滞している自分」
失恋を経て、酷く落ち込んで心を閉ざしてしまった春香。
ここまでに何度も出てくる『1234』という数は
停滞を意味している。
アイドル引退と失恋によって落ち込み、
思考が前を向いてない状態の春香である。
その春香に向けて前を向こうとする春香が告げる。
『昨日の約束覚えてるよね?』
「昨日の約束」が何を示しているのかは正直わからない。
プロデューサーとの別れの際、何かを約束したのか。
または、引退してから春香が何かをしようと決めたのか。
ただ、このセリフの後の春香は「歌っている」ことから、
おそらく、再びアイドルを目指しているのではないかと考える。
 
最後に『12345678・・・・・・』と消え入りそうな声が聞こえる。
これまで『1234』で停滞していた春香の心が前進を始めている。
「黒猫」は『Adiey』と言っている。
前進を始めた春香に「恋する心」がさよならを告げている。
「恋」を失って「自分」を取り戻した春香は再びアイドルを目指す。
 
 
そう思いつつも、素敵な人を見つけて幸せになってほしいものですね。